トラウマによる学習性無力感(学習性無気力)を克服するためには

学習性無力感とはつらい経験から学習して生まれた無力感のことです。

ポジティブ心理学の父セリグマンが名付けた概念で、学習性無気力とも言われます。

学習性無力感が生まれる原因

『虐待』『いじめ』『モラハラ』『DV』などにより、自分の価値や尊厳を傷つけられることによって学習性無力感に悩まされてしまいます。
また、たくさんの努力をしても望む結果か伴わない経験が重なることでも学習性むりょく感に悩まされてしまいます。

学習性無力感を抱えると

学習性無力感を抱えると、「何をしても無駄なんだ」と認知し、自分にはつらい状況を乗り越える力が無いと思い込んでしまいうことで乗り越えようと思えないだけでなく、

闘う力や逃げる力を失い自分を護ることすらできなくなります。
嫌なことでもされるがままになり、無力感を抱え自分を信じることができずに自分責めをしてしまいます。

そして、学習性無力感は精神疾患の原因にもなると言われています。
学習性無力感を抱えていると、自分の殻に閉じこもりやすく無力な自分に危うさを感じ、そして自分の外の世界に安全や安心を感じにくくなり何をするのにもストレスを感じるためです。

トラウマによる学習性無力感の克服には

学習性無力感からの回復には、自己効力感を育むことが大切です。

そして、つらいトラウマが原因の学習性無力感からの回復には、まずは『安心感』を取り戻す事がとても大切なポイントです。

トラウマによる学習性無力感とカウンセリング

フラッシュバックや解離などのトラウマ症状のある方には、トラウマ体験を話すだけのカウンセリングはおすすめしていません。

無理につらいトラウマ体験の話をすることは、タイミングによっては逆効果になる場合が多いからです。
つらい経験を思い出して言語化することは、『トラウマを再体験』することになります。
このことをカウンセリングの二次被害とも言われています。

まずは『安全と安心』を取り戻し、心と体でしっかりと『安心』を感じる事が必要なのです。

安心感を育むことに重点をおいたカウンセリングからはじめることが『安全』でそして確実に回復をしていくための手助けとなります。

私の経験

私も学習性無力感を抱えていた過去があります。
嫌なことをされても「嫌だからやめて」と伝えることを諦めていました。当時は逃げることさえできずにただ嫌なことを受け入れるしかできませんでした。そしてどうにもならない苦しさから、きっと私が悪いからなんだ…と自分を嫌ってしまい生きている意味さえわからずにいました。
本当に、闘うことも逃げることも選択できなったのです。


この経験をしたからこそお伝えたいこと

学習性無力感を抱え苦しみを感じている方にお伝えたいことがあります。

「闘うことや逃げることができないあなたが弱いのではないのです。学習性無力感を抱えるほど、ひた向きに努力したり、きっといつかはこの我慢や努力が報われると信じて耐えてきたあなたは、誰よりも強さをもっているのです。だからご自分のためにご自身の強さを認めてあげてほしいのです。
そして、報われなかったつらく苦しい想いを癒してあげましょうね。」